2013年1月2日水曜日

ある富勢おやじの男一人旅・・東海道中酒浸2012冬



一人移動の気ままさとデスペラード
 
今年の初めから一人移動が続いている。家族旅行での移動は毎年のように車がメインで行うようになっていたが、車以外での長距離移動はしばらくぶりのことだ。
富士山を見ながら太宰治「人間失格」。
雄大な姿と対蹠的な小さな人間の姿を文庫に見る
一月新幹線で大阪、五月バスで岩手、八月飛行機で沖縄、十二月また新幹線で大阪。交通手段がそれぞれであり、ビール、日本酒と酒もつきものであった。
一月の大阪行きは、突然の決定だったので、午前中のPTA役員会などの用事を済ましてから、あわただしく行かざるを得なく、新幹線は時間の選択肢もないまま大阪入り。「のぞみ」だったかな、今回は「こだま」で各駅停車。四時間近くかけて大阪へ。でも四時間で連れて行ってくれる日本の新幹線システムはたいしたものだと、ビール片手に晴れ渡った富士山を見る。
以前何かの本か手記にあったようだが、富士山は遠くで見たほうがはるかにその大きな存在感がある。これが中距離だと、なんとなく居心地が悪いような大きさに見える。さらにさらに近づくと、やはりそのそびえ立つような圧倒的なものを感じる。
東京を出るときは曇りがちだった空も、新富士駅手前からは晴れ渡り、新幹線からも雪化粧された雄大な姿をみることができた。
話しが飛ぶが、飛ぶだけに飛行機のハナシ。この夏には家族で初めて沖縄へ行った。飛行機からも富士山の姿はうつくしく、まぁ夏だったから雪はなくまっくろけの山肌であるが裾野の広さに圧倒された。
沖縄から仕事のため家族を残し、一人先に帰ることになった。予定時間をはるかにおくれた最終便の窓からは、まっくろけの夜空に機内の灯りが反射し、隣の席のスタイル抜群だけど、愛想の悪いねぇちゃんの窓に写る横顔が見えていた。


   なじみの店となじめないエスカレーター

やっぱり大阪は右側に並ぶ、帰りに寄った京都は左側に並んでいた。この近距離でエスカレーターの切り替えはなじめない。
大阪駅は巨大であり、さらに乗り換えの改札がJRと地下鉄などでは、やたらに歩く。必然的にエスカレーター上ったり、降りたり、右に並んだり、左を歩いたりでなんだか疲れる。
ほぼ一年ぶりに、大阪に住む友人と串焼き屋へ。なじみでもないのに、一年前の会話など覚えていてくれるというのは、やはりうれしいもの。
二度目なのにすっかりなじみの気分になれる。
いい店ゆえだろう。

小ぶりでちょうどいい串焼きに懐かしさを覚え、最近すっかり野菜好きになっているおっさんにとっては、豆もやし、山芋ソテーそして大阪名物の生キャベツを特製味噌につけてのアテが実にいい。
この店の焼きラーメンを〆にした。不思議な味わいの料理である。たしかに焼いてあるような風味と食感があり、少な目のスープに野菜がたっぷり。飲み続けのただれた胃袋にはありがいビタミンだ。
この店の二人の男性店員、とても地域の人となじんでいて、来店する客みんなと友だちのように肩肘張らない雰囲気がある。やはり店柄は人柄なんだと、友人は言う。
三宮リベンジ!そして連敗①

JRの「三都ものがたり」という企画で、京都、大阪、神戸を訪れて歩くというコマーシャルがあり、なんとも旅情ロマン惹かれるものであった。
三宮からすぐの南京町の大門。横浜に比べるとカワイイ。
いまから二十年近く前のこと、三宮へ到着し神戸ステーキを食うぞと意気込んでいた。初日の夜だから、ほどほどにと思い、駅前地下にある地味な看板の店に入った。大荷物を持ったままだったから、なるべく近くで済ませたいという思いがあった。階段を下りていくと大きな扉が目の前にあり、静かに開いたかと思うと黒スーツの店員が「お荷物をお預かりいたします。」とフロント奥へ持っていってしまった。
そうなのだ、この店にはホテルのフロントのように大きなエントランスがあるのだ。
案内されるままに、照度をおとしてあるテーブルへ座らせられた。「メニューでございます。」あけてびっくり玉手箱じゃあないけど、一番安いステーキ肉のみで八千円(うろ覚えだけど)。サラダ、スープすべて別料金。コースセットなんて見たくもない金額であった。
「すみませえん、飲み物だけでもいいですかあ」となさけない声で言うと、「このお時間はお食事だけとなります。」とつれないご返事。連れにかっこいいとこ見せたい気持ちではあったが、初日からこんなに飛ばしては後が続かない(金額的にね)。
「じゃあ帰ります。」めちゃめちゃかっこ悪かったが、また大荷物を出してもらい、そそくさと店を後にした。二度と来ることもないだろう、と捨てぜりふを心の中でいいながら…。
その日は、六甲山の山頂付近にある、会社の保養所へ泊まる予定だったので、連絡してみると「もうきょうの夕食時間は終わりました。」とさらにつれない返事。保養所の自動販売機の酒とつまみでロマンも何もない初日は終わったのであった。

三宮リベンジ!そして連敗②

昔のくやしさを思い出し、長くなりすぎてしまった。すまんです。


中津という駅の直結ホテルに泊り、ゆっくりチェックアウトする。どこで朝飯にしようかなんて思いながら、立ち食いそばに後ろ髪をひかれ、大阪駅まで歩く。人の流れについて駅周辺まで来ていたのに、なんだか流れのままにあるいていると、まったく違う方向に来ていることに雰囲気でわかる。そろそろ修正しないといけないなと思いながら歩いていると、なんだかずいぶん遠くまできてしまったようだ。
ヒルトンホテルの前まで来てしまい、駅への送迎バスがあるようなので、客のふりして乗り込み駅への到着成功。10分近くバスだったからかなりの時間を無駄にした。
なんとなく、そば屋をさがしていたのだが見つからない。そばをあきらめ、三宮の元町南京町へエイヤっと行ってしまう。
 『神戸のぶたまんじゅ屋』と呼び親しまれてきた老詳記。(ホームページより)
ぶたまんで人気の「老祥記」へ。ぶたまん三個二百七十円。小さめだが、できたての湯気がたまらない。この店へは人になんとなくついていって、今度は正解だった。半端な時簡になってしまったので、神戸牛コロッケ揚げたてをいただき、朝食とした。
さて、ここまで来たのだから、異人館街へ行きたいと思い、歩き出す。道路標識の方向へ行くが、なんだかやっぱり、ちがう雰囲気。兵庫県庁の近代的な建物ばかりで、仕方なく「相楽園」という日本庭園を見学。阪神淡路大震災の爪あとが、旧ハッサム邸の煙突があえて落ちたままになっている。
散々歩き、へとへとになりながら、北野の異人館街へ。ここはずいぶん復興していたが、大きな震災からの復興というのはたいへんなんだと感じた。
東北の復興を祈る。

三都ものがたり完結。清水さんは紅葉に染まる。


きよみずさんの燃えるようなもみじであった。
清水(しみず)さんではない。きよみずさんと京都の人たちは言う。尼崎ですっかり長居をしてしまい、四時近くに京都へ。駅前観光案内のおじさんに尋ねる。
「知恩院へいきたいんですけど」「知恩院ねえ、四時まででおわりですねん、いまからですとキヨミズさんですなぁ」との答え。「キヨミズさん?」「キヨミズさんなら六時までやからバスで十五分、そこから歩いて十五分でいけますぅ」
路線バスは鴨川を渡り、三十三間堂の前を横切り、京都の渋滞道を進み、五条坂で下車。人の流れについて清水寺へ。修学旅行の団体の多さにびっくり。いったい何校がいま参拝していて、朝からどれだけの生徒がここを訪れたのだろう。
思い出せば、中学生の時に修学旅行で来て、二十数年前に来て、きょうで三回目。最初は団体、次は二人、いまは一人。なんだか三都ものがたりのストーリーになりそうだが、清水寺の喧騒にかき消された。
清水坂という観光旅行客相手のみやげ物通りに、着物に着替えて清水参拝という看板があり、そんなのもいいなぁ、と思いつつ歩いていると、あちこちに女性のグループの華やかな着物姿についつい魅とれてしまう。
紅葉に色づく清水の舞台から見渡す晩秋の古都。そうだ、京都いくべし。
(旅人・・・にらまる氏)

4 件のコメント:

  1. いやぁさすがYIさん。老祥記の豚まんは最高ですよね。私もこれ食べたさにおっさん一人で南京町まで行ったことがあります。おやじの会の皆さん、たまたまこれを読まれた皆さんも是非!
    あけましたおめでとさん。大阪のおやじ。

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  2. 三都物語、浪漫ありますね~。

    しかし、8,000円のステーキとはおったまげましたね。神戸牛はグレードも最高級!

    京都・大阪・神戸はそれぞれ街の趣きが異なっていて本当に楽しいですね。

    私も旅に出たくなりました。^^

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  3. 三都物語、浪漫ありますね~。

    しかし、8,000円のステーキとはおったまげましたね。神戸牛はグレードも最高級!

    京都・大阪・神戸はそれぞれ街の趣きが異なっていて本当に楽しいですね。

    私も旅に出たくなりました。^^

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  4. 西への旅したくなりました。
    特に京都・・冬もいいだろうなぁ。

    いよいよ、東海道・山陽新幹線にN700Aが営業運転が開始されるので乗ってみたいのと・・山陽新幹線にまだ「こだま」として運用されている500系新幹線に乗りたいなぁ・・と^^。(スイマセン・オタクねたでした^^:)

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